第37章 月華レストラン

橘由樹はその場で凍りついた。

信じられない。自分が橘結衣に蹴り飛ばされ、こんな距離まで吹っ飛ばされたなんて。

遅れてきた痛みが背中からじわじわと広がる。

「ッ――あ゛……!」橘由樹は歯を食いしばり、顔を歪めた。

「な、なにこれ……?」駆けつけた橘礼子は、散らかった惨状を目にして完全に固まった。

「ママ!」橘晴美が堪えきれず泣き声を上げる。

橘結衣が橘由樹にここまで容赦なく手を出したことが信じられない。しかも橘結衣が冷え切った顔のままこちらへ歩いてくる。橘晴美は魂が抜けそうになり、反射的に橘礼子の胸に飛び込んだ。次は自分が蹴り飛ばされる気がしてならなかった。

「ママ、私もよく分か...

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